成形不良 バリ
「バリ」とは
“バリ“とは、図1のように、射出成形を行う際、プラスチックがはみ出してしまい、不要な部分が成形品に残ってしまう現象です。
図1. バリの例
バリの発生メカニズム
図2. 通常の成形品(バリの発生なし)
通常は、青丸内のように、金型の合わせ面に隙間はなく、バリは発生しません。
図3. 金型の隙間とバリの発生
赤丸内のように、金型の合わせ面(PL面)に隙間が発生、そこに溶融プラスチックが流れ込んで固まると”バリ”が発生します。
※PL:Parting Line:金型で固定側と可動側に分割される境目のことを”パーティングライン”と呼びます。
プラスチックがはみ出す隙間が開いてしまう原因として、”成形の繰り返しによる金型の摩耗”、”成形機の型締め力と射出圧力のバランス”などが考えられます。
バリが製品に与える悪影響について
・”ルーバーの穴、軸”、”シフトノブのボタン”など、摺動するものは動きが悪くなります。
・クロムメッキをかけるものは、バリ部分からクラックが入るので、重要部位にはPL磨き仕上げをします。
・バリは薄い板のように成形品から飛び出ています、手で触る部分はケガを防止するため、”メッキドアハンドル”、”ドリンクホルダー”などは、厳しい外観品質を求められます。
図4.メッキドアハンドル
写真の赤枠あたりは、ドアを開ける際に握る部分なので、バリがあると特に危険です。
図5.ドリンクホルダー
写真の赤枠あたりは、ドリンクホルダーを使用する際に触れる部分なので、バリがあると危険です。