成形不良　ウエルドライン

「ウエルドライン（weld line）」とは

”ウエルドライン”とは、図1のような、境界線のような模様のことです。
自動車や家電製品などに使われる外観意匠部品においては、外観品質不良となる場合があります。

図1. ウエルドラインの例

ウエルドラインが発生するメカニズム

図2. 溶融プラスチックが注入口から流れていく様子

”ウエルドライン”は、金型内で溶融プラスチック同士が、図2の赤枠内のような場所で、合流する際に発生します。

図3. スキン層の発生

金型内に射出された溶融プラスチックは、図3のように、金型に接触した部分から次第に冷却されながら流動します。
冷却固化が始まった層をスキン層と呼びます。

図4. ウエルドライン発生時の状態

図4のように、溶融プラスチック同士が合流してぶつかり合います。
その際、スキン層が厚いと合流時の角度が鋭角になり、境界線のような模様（ウエルドライン）が発生します。
ウエルドラインは、溶融プラスチック同士がぶつかった時の融合温度が低いほどはっきりと現れます。

解決策

イオインダストリー株式会社では、金型の急速加熱冷却工法を用いて、ウエルドラインを解消しています。
ウエルドラインを消すには、プラスチックのガラス転移点以上の温度まで金型を加熱する必要があります。
溶融プラスチック充填時には金型を急速加熱してウエルドラインを消し、充填後は金型を急速冷却して樹脂の固化を促進します。
こうして成形サイクルを短縮して効率よく生産しています。
この方法は、「ヒート＆クール成形技術（H&C技術）」と呼ばれています。
詳しくは、下記URLをご参照ください。

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